結婚出産後の女性の幸せとは?日本で生まれ育ち、フランスに恋をして、カナダで生活し始めた私が幸せについて考えました

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結婚出産後の女性の幸せとは?日本で生まれ育ち、フランスに恋をして、カナダで生活し始めた私が幸せについて考えました


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カナダにやってきて2か月が経ちました。娘は保育園に行き始めたので、約1年半ぶりに自分の時間が持てるようになりました。

住む場所や生活スタイルが大きく変わったので「これから自分がどう生きていきたいのか」、「幸せとは何なのか」と最近よく考えます。

そこで今日は、かなり大きなテーマですが「幸せ」について考えました。私自身の悩みや経験から考えたので、特に「結婚出産後の女性の幸せとは?」という視点で書いています。

今回ちょっと長くなってしまいました。最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。長いので目次を付けておきますね。

実家で両親と過ごした3週間

カナダに来る前に2か月間パリで過ごしたのですが、その前には娘と二人で3週間実家に帰っていました。

実家にいるときに、私にとって衝撃的な出来事がありました。30過ぎた今になって、初めて母の特技を知ったんです

その特技については直接関係のないことなので今回は省略しますが、他にも母の趣味のことも、私が社会人になるぐらいまでは知りませんでした。

母が何が得意で何が好きかなんて子供の頃はまったく触れる機会がなく、家族全体としても関心を持っているとは思えなかったです。

母はずっとフルタイムで働いてきた上、クオリティ高く家事もこなしていたので、仕事や家事などの「生活」で精一杯だったということもあるんだろうと思います。

でもそれ以上に、母はいつでも「お母さん」であって、母個人の楽しみや自己実現や喜びを考えるという発想自体が家庭内になかったように思います。

というか、もっと言ってしまうと親になってまで自分の楽しみを考えるなんて母親として、妻としてどうなんだ、という雰囲気でした。

お母さん、つらかったんじゃないかな?今までそのことに気付かなかったことが自分でショックでしたし母に申し訳なく思いました。

夫の言葉に戸惑う私

夫に繰り返し言われていた言葉に結婚前から私は戸惑っていました。

その言葉とは、

「今までと同じくらい稼ぐことができなかったとしても、好きでもないことを嫌々するのではなく楽しいと思える仕事や趣味をして、人生を楽しみながら生きていってほしい。

育休中は、子育てはもちろんだけど、やりたいことを見つける期間にしたらどう?」

というものです。さらに、何か好きなことに一生懸命になっている女性を魅力的に感じるというような趣旨のことをも言っていました。

そんなことを言ってもらえるなんて、本当だったら喜ぶべきですよね。

ではなぜ戸惑ったのかというと、私の中で結婚出産後の在り方として、母と同じような姿を知らず知らずのうちにイメージしていたからなのかもしれません。

だから、家事も子育ても仕事も、さらには趣味も、って大変すぎでしょ!?どこまで頑張らなけらばいけないんだ!何をさせる気なんだ!というのが正直な気持ちでした。

でもそこはちょっと違ったんですけどね。

夫婦で家事を分担して行い、たとえ食事が毎回手作りでなくても、何品も用意されていなくても、毎日家がピッカピカでなくてもいい、楽しく自分の好きなことをやっていて、その結果家事が多少雑になるのは仕方がないこと。というのが夫の考えです。

それが時に夫担当の家事が済んでいないことでのケンカにつながる理由でもなくはないのですが……。

母の体調が悪いときですらいつもと同じ食事や家事の内容を期待し、できていないと怒る父とは全然違います。

「趣味に熱中しててご飯作れなかった」なんて父に言ったらどうなっちゃうか、想像したくもありません。

フランス人の幸せについての考え方

「〇〇人」と言い切ってしまうのは偏りがあるのを承知で、今回は敢えてこう書かせてください。もちろんフランス人であろうが、教育、家庭環境などの背景などによって個人個人で考え方は違います。

さてパリに滞在していた間、夫は日中不在、娘と二人では本格的な観光というわけにもいかずでした。なので滞在先のアパルトマン周辺を散策し、その場所にちなんだ歴史を勉強し直していました。

私たちが滞在していたのはレピュブリック広場(Place de République)の近く。この広場にはフランスの象徴と言われるマリアンヌ像があります。別名:自由の女神自由と革命のシンボルです。

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堂々とした姿が好きで、毎日の様にこの広場を訪れてマリアンヌ像を見上げていました。

マリアンヌ像の下には、自由・平等・博愛の像もいます。この自由・平等・博愛(Liberté, Égalité, Fraternité)とはフランス革命時のスローガンで、現在はフランス共和国の標語となっています。

夫や私が知っているフランス人は、とにかく個の自由や幸せということを重視します。その考え方はここからきていると考えると納得できることが多いです。

下の画像は、フランス革命記念日をお祝いするパリ祭の日に道端で見つけた風刺画。とても「フランスっぽい」ので思わず写真を撮ってしまいました。

この3つのキーワードが今のフランスの状態にふさわしいかは疑問に感じている人もいるようですね……。

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フリジア帽を被った女性(マリアンヌ)の鼻にはフランス国旗のトリコロール。ピノキオのように鼻が高くなっているのは、「自由・平等・博愛」はどこ?そんなの嘘じゃないか!?というメッセージがこもっている。

私がフランス人と話をしていて強く感じるのは、誰かの考え方や生き方に自分は共感や賛成できなかったとしても、その人がそのように考えること・生きることの自由を認めるという考え方です。

一方で日本で重視される空気を読むとか流れに合わせるとか、周りと足並みそろえるという考え方は、〇歳になったから、女性なんだから、親なんだからこうすべき、と、一定の行動を他人に期待するということでもあります。

フランスと日本、美的感覚など共通点がたくさんあると思っていますが、この点に関しては正反対ですね。

他人の生き方を個人的に良くは思っていなくても、とやかく言わないで見守って応援するというのは案外難しいなと思います。

結婚・出産後の女性の幸せについて

そんなことを考えているときにこちらの記事を読みました。

結婚・出産・離婚・死別など様々な経験の中で、ライフステージに合わせて働き方を変えながら自分の喜びを追求して生きている複数の女性にインタビューした記事。

wol.nikkeibp.co.jp

女性の働き方や生き方に焦点を当てていますが、「人間として」どう自由に自立していくか、どう喜びを感じ幸せに生きていくのかという考えが出発点にあるから、こういう生き方ができるのではないでしょうか。

まずは自分が自分であることがコアにあり、やりたいことをやっている中でたまたま人生を共にしたいパートナーが現れたり、子供が欲しいと思ったり、いい仕事が見つかったり……という感じなのかな。

結婚出産(しているかどうか)や年齢などを、個の幸せに影響させない、というか。

女性の幸せの話題になると、どうしても結婚、出産などのライフステージと絡めて語られることが多いです。でも「結婚後」「父親になった後」という文脈の中で男性の生き方が語られることはほとんどないですよね。

出産は女性が体を張ってすることなので、女性の生き方をライフステージと完全に切り離すことはできないとは思います。それにしてもそれ以上にジェンダーバイアスがある気がしてなりません。

なので、結婚や出産後の女性の幸せとは、逆説的ですが「結婚後の幸せ」、「出産後の幸せ」、「女性の幸せ」と限定しないで、単に「私の幸せとは何か」と考えられること(その自由?)なのかもしれないと、実家滞在とパリでの経験を経て思います。

おわりに

私は上の記事に登場するフランス女性のように、がりがりに個人主義でドライに生きていくことは多分できません。かといって母のように自分を完全に後回しにして母や妻として生きるのも向いていません。

どういう形なのかはまだはっきり見えませんが、新しい国での新しい生活が始まったばかり。これから「私の幸せ」を見つけていきたいと思います。

ここ数か月ずっと考えていたことを、長々と書いてしまいました。とても個人的な内容でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました♪

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